長屋再生複合ショップ「惣so」

 明治時代からあったであろう築100年以上の長屋は、取り壊されて駐車場にされるところを現在のような複合ショップに生まれ変わりました。惣は「萌・練・惣」の中で一番最初のプロジェクトで2002年に改修されました。

 惣という名前は、大坂城時代にあった水の無いお堀(現在の空堀商店街南側)の正式名称が「南惣構掘」と、江戸時代の大阪の自治組織の名称と言われた「惣会」に因んで名づけられました。惣の南長屋の一階廊下の壁面には南惣構掘の柵をモチーフにした装飾が施されています。

惣南長屋プロジェクト

2006108日、2物件目にあたるサブリース事業の立ち上げを行いました。法人設立以降初めてのサブリース事業となりました。「惣SO」の南隣を借り受けた物件で、惣の拡大再生という位置づけで改修をしています。立地がお払い筋に面し、ちょうど金毘羅坂と呼ばれる地域の特徴的な地形を有することから、地域の修景整備に貢献をする意義深いプロジェクトになりました。また、からほりHOPEゾーン事業の大阪市事業と連携をとった計画とし官民一体でのまちづくりプロジェクトと言えます。計画は空堀地域の特徴的な冠木門を模したロジ整備を施し、ロジに面し冬の陣で豊臣方が空堀にめぐらした木柵を再現した地場の記憶を蘇らせています。そして、ロジは裏長屋へのアプローチを可能とする共同通路とし、裏長屋からの避難経路として万一に備えています。木造密集地の抱える防災、避難性能を向上させる事にも一役担い、長屋の暮らしで培われた相互扶助的な慣習が長屋の改修と同時に再生できたのではないでしょうか。

飲食店と物販店からなる4軒のテナントで構成されます。昔の地名「金甌」を屋号とした一テナントからも地域への親しみを窺い知れます。